ファンと選手をつなぎ、プロ野球の未来を拓く
「ファントモ」 プロジェクト2024年12月17日スタート
野球界の課題解決に、さまざまな知恵とチカラを結集するプラットフォーム
日本プロ野球選手会は、2024年12月17日より、ファンと選手を繋ぐ新たなコミュニティ「ファントモ」をスタートさせます。
2004年の球界再編問題では、話し合いもファンへの説明もないままの性急な球団削減、1リーグ化の動きに、選手会が「ファンも選手も球界の一員です」のスローガンのもと異を唱え、呼応したファンや世論のチカラを結集しました。ファントモはこの出来事をヒントに、20周年の節目に、球界の課題、社会課題にファンと選手が共に向き合える仕組みで、球界の未来を拓き、もっと面白いプロ野球が実現しようとの発想から企画されました。
ファンとプロ野球選手をワンチームとするプロジェクトの実現するため、ファントモでは課題をスピーディにファンとシェアするオンライン上のプラットフォームを、主旨に賛同した企業の協力のもとに構築します。
野球人口減少の問題やその一因となっている野球をはじめる、続ける子供への環境づくり、プロ野球選手で言えば、現役中からのセカンドキャリアへの意識の醸成、選手が最大限のパフォーマンスを発揮するための環境改善や、ファンが望むもっと面白いプロ野球実現へのアイデアの集約、そして誹謗中傷といった双方のボタンの掛け違いをコミュニケーションによって解決し、ファンと選手の幸せな距離感を実現するといったさまざまなテーマがあります。
先日、選手会が来年度の継続を主体的に行うことを決めたトライアウトの今後のあり方なども、具体的テーマのひとつになりますし、より多くのファンの方々の知恵やネットワークが集積することで、選手の引退後の選択肢も増えていくことを期待しています。
もちろん球界だけでなく、選手やプロ野球の持つ可能性を、社会課題への注目や解決に結び付けていくための活動も視野に入れており、現在行っている以上の社会貢献活動や、プロ野球選手をより憧れの存在にしていくための活動領域の拡大や個々の選手の意識づくりの場にもなっていきます。
このファントモは、オンライン上のプラットフォームを活動基盤のひとつとしており、システムを維持し、活動を拡大していくために、個人や法人の会員からは寄付という形での会員を募る形式をとっております。
現在、球界の課題解決は、選手会とNPBの事務折衝の場が中心になっておりますが、その解決のスピードは、現役生活が限られている選手や、ファンにとっても満足いくものとはなっていません。ファントモはこうした現状を、さまざまな声や知恵、異なる視点で加速させていこうとする実験的な試みでありますが、まず一歩を踏み出してから、改善を重ねていくことの意義を重視、この度のスタートとなりました。全く新たな試みではありますが、プロ野球やスポーツにまなざしを注ぎ続けるメディアの皆様のご意見も生かしながら、前進していく所存ですゆえ、何卒、ご支援の程をよろしくお願いいたします。
一般社団法人日本プロ野球選手会理事長 丸佳浩(巨人)のコメント
日本プロ野球選手会は、選手と球団が対等な関係を築いていくために努力する一方で、12球団の選手が集う団体として、もっと面白いものが提供できないか、野球を好きになるきっかけがつくれないかを考えるのが一般社団法人としての選手会の役割です。12球団の選手が揃ってのファンイベント、日本シリーズで対戦した選手同士の裏話が聞けるトーショーの実施、試合終了直後の選手からのボイスメッセージ、キャッチボール専用球の開発などは、選手会から始まったアイデアです。野球の楽しみ方にはまだまだ可能性があります。そんな戦力にファンの方々が加わっていただけたら本当に楽しみです。