役員からのご挨拶

日本プロ野球選手会ホームページへようこそ。
労働組合 日本プロ野球選手会役員から皆様へのメッセージです。

近藤会長  挨拶

労働組合
日本プロ野球選手会
選手会長
近藤 健介

このたび、日本プロ野球選手会会長に就任いたしました近藤健介です。
選手会は、約40年前、当時の全プロ野球選手が結束して発足した労働組合です。球団との交渉において、個々の選手が不利益を被る事態が相次いでいた現実を前に、選手の地位向上と、より良いプロ野球の未来を築くという信念のもと誕生しました。

FA制度をはじめ、現在では当然のものとなっている各種の権利や制度も、先人たちが一つ一つ交渉を重ね、実現してきた成果です。とりわけ2004年のプロ野球再編問題は最大の危機でした。NPB側が進めた球団合併や1リーグ化構想に対し、選手はファンと共に異議を唱え、苦渋の決断としてストライキを実施しました。粘り強い交渉の末、12球団による2リーグ制は守られました。

プロ野球の世界は、全ての選手にとって厳しい競争の場である以上、グラウンド内外を問わず、公平で平等な条件のもとに運営されることが欠かせません。FA権獲得に関わる登録日数、戦力外通告時期の統一、野球規則の運用や審判制度など、選手間はもちろん、球団やリーグ間で有利不利が生じない仕組みづくりを求め、選手が全力を発揮できる健全な競争環境の整備に努めてまいります。

そして、誹謗中傷への対策も今日のプロ野球界にとって極めて重要なテーマです。選手は社会から注目を集める存在ではありますが、一人の人間です。選手本人のみならず、ご家族や身近な関係者が、インターネット上のいわれなき中傷投稿やメッセージによって深く傷つく事例が後を絶ちません。選手会としてはこうした被害をこれ以上見過ごすことはできず、誹謗中傷の根絶に向け、弁護士や関係機関と連携しながら対策を強化してまいります。

また、設立から40年が経ち、野球を取り巻く環境も大きく変化しています。少子化、スポーツ活動の多様化、エンターテインメント産業の拡大などを背景に、プロ野球が子どもたちの憧れであり続けるために、そして社会の模範として認められる存在であるために、私たち自身がどうあるべきかを考え、行動することも重要だと考えています。

近年は国内外の環境変化が一段と大きく、スピードも増しています。対応や制度改善に向けた課題は多岐にわたります。プロ野球界でも、「慶弔休暇特例措置」がようやく導入されるなど、社会の変化に合わせた柔軟な制度設計の必要性を強く感じています。一方で、商業展開の加速やテクノロジーの高度化、各種権利の複雑化が進む中、選手会として主張すべき点は主張しつつも、「日本プロ野球界」のあるべき姿をNPBや12球団と共に真摯に考え、協力しながら進めていくことが不可欠です。現役選手、そして次代を担う選手たちのために、私たちもまた確かな決意をもって改善に努めてまいります。

「球団と選手は対等でなければならない」「選手をひとりにさせない」「将来の選手のための組織」「選手が選手のために自ら決める組織」これらの基本精神を胸に、第十一代選手会長として全力を尽くしてまいります。
今後とも皆さまのご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2025年12月

労働組合 日本プロ野球選手会 会長
近藤 健介

大瀬良理事長 挨拶

一般社団法人
日本プロ野球選手会
理事長
大瀬良 大地

一般社団法人日本プロ野球選手会理事長に就任いたしました大瀬良大地です。
当法人では、野球振興活動と社会貢献活動を中心に、選手の力を社会へ還元する取り組みを行っています。

社会貢献活動における大きな実績のひとつが、2020年に表明した「新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金」への協力です。国内クラウドファンディング史上最高額(当時)となる8億円超の寄付が集まり、社会全体を巻き込んだ取り組みとなりました。この経験を機に、災害支援に特化した「日本プロ野球選手会災害支援基金(選手会ファンド)」を設立し、専門団体と連携しながら、頻発する自然災害への迅速な支援を継続しています。各野球団体と協力して展開する防災教育プログラム「みんなDE防災」も、子どもたちに防災を学ぶ機会を届ける重要な活動です。

また、病気と向き合う子どもたちと家族を支援するドナルド・マクドナルド・ハウスへの訪問や寄付活動を継続しているほか、「ドリームキャッチプロジェクト」、「ドリームキャッチ野球体験教室」では、ひとり親家庭や児童養護施設で育った子どもたちに、野球用具の物資支援や元プロ野球選手による体験教室を通じて野球に触れられる機会を提供しています。JFAとの協働プロジェクトでは「夢先生」としてこれまで多くの選手が登壇し、子どもたちに夢を持つことの意義や努力することの価値を伝えています。さらに、選手の社会貢献の姿を広く伝えるオウンドメディア「Player’s Plus」の発信など、多面的な活動を展開しています。

選手の視点から野球界の仕組みを時代に合わせて変えていく取り組みとして象徴的なのが、プロアマ規定の壁を越えて実現したシンポジウム「夢の向こうに」です。普段は現役選手が高校球児に直接技術を伝えることが認められていませんが、「母校に恩返ししたい」「高校球児にエールを送りたい」という選手たちの声と、多くの関係者の尽力によって実現しました。学生野球指導資格の回復についても、新たな研修制度の整備によって現実的な道が開かれています。“野球をひとつに”という理念は、今も選手会が大切にしているテーマです。

野球普及の分野では、オフシーズンに現役選手が参加する交流イベントのほか、キャッチボール普及を目的とした競技「キャッチボールクラシック」の全国展開を進めています。公園でも子どもたちが安全にキャッチボールができるようにと選手会が主導して開発したキャッチボール専用球「ゆうボール」も、幅広い世代に活用いただいています。

現役引退後のセカンドキャリア支援も重要なテーマです。一般企業就職者向けのサポートプログラム、提携大学での学び直しの場の提供など、選手一人ひとりの新たなチャレンジを支える環境づくりを進めています。2025年からは、12球団合同トライアウトをNPBから引き継ぎ、選手会主催として実施しました。現役続行を目指す場であると同時に、キャリアアドバイザーの紹介など次のステージへの道を広げる仕組みとしても強化しています。退団金共済制度も、引退後の生活を支える仕組みとして活用されています。

私たち野球選手には、野球を通じて社会に良い循環を生み出す力があると信じています。余暇活動が多様化する現代においても、野球に触れる機会を増やし、野球を始めた子どもたちが野球を好きでいられる環境を守りたいと考えています。「ファントモプロジェクト」では、ファン・選手・企業が“ONE TEAM”となり、野球を通じて社会課題の解決に取り組む活動を進めています。

今後とも日本プロ野球選手会の活動に変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2025年12月

一般社団法人 日本プロ野球選手会 理事長
大瀬良 大地

森事務局長 挨拶

一般社団法人
日本プロ野球選手会
事務局長
森 忠仁

日本プロ野球選手会ホームページのスタートは2000年12月。当時は選手会の存在自体を知る人も少なく、会がどのような経緯で設立され、球界で何のために、何をしようとしている組織なのか、それを選手の想いも含めて多くの人に知っていただく必要がありました。

開設以降、さまざまなメールが寄せられるようになりましたが、内容は会への意見だけでなく、スタジアムの席の幅についての要望や、優勝決定方式の新たな提案などさまざま。それを通じて感じたのは、球界にはファンの声に耳を傾けるような仕組みがないという現実でした。私たちはそれを契機により開かれた球界づくりのために、選手会だからこそできることは何かを意識するようになりました。

代理人制度導入、WBCやポスティング制度など野球の国際化への対応、ドラフト問題、FA制度改善、戦力外・減額制限超ルールの策定そしてプロアマ問題。ホームページスタート以降に選手会が直面した出来事はさまざまですが、中でも2004年の近鉄・オリックスの合併に端を発する球界再編問題はその最たるものでした。ファン不在で球団削減、1リーグ化への道を急ぐ経営側に対し“ファンも選手も球界の一員”として声をあげ、行動していった選手会は、やがて多くの世論の支持を得て、結果2リーグ12球団が維持されました。
振り返ればこのホームページを通じ、ファンの皆さんとのコミュニケーションを重ねてきた事もそうした支持の一助になったのではと思います。
2015年9月、志半ばで世を去ることとなった松原徹事務局長時代の選手会は、まさに激動の歴史であり、その渦中で選手の未来、球界の未来のために何をすべきかを、選手たちと共に覚悟を持って決断し続けてきた歩みでもありました。選手会を取り巻く環境も対立や波乱の時代から協調の時代へと変化しつつあります。
視点を変えれば、プロ野球を取り巻く現実は、まさに球界一丸となって取り組まなければならない大きな課題に満ちていることの表れでもあります。
「選手と球団とは対等」「選手を一人にしない」選手会の活動を支える精神に基づき、個々の選手に寄り添いながらも、球界発展の一翼を担う会として、これからもさまざまな課題解決に向き合っていきたいと思います。

一般社団法人 日本プロ野球選手会 事務局長
森 忠仁

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