今シーズンもたくさんのご声援をいただき、ありがとうございます。シーズンが終了したところで、みなさまにご報告がございます。
昨年末から、選手会では、脅迫や誹謗中傷に悩む選手に対し、当会の顧問弁護士による誹謗中傷対策チームによるサポートを実施し、選手が望む場合には情報開示手続等を実施し、その経過をファンの皆様にも共有させていただきました。
具体的には、今年の5月に「プロ野球選手に対する誹謗中傷行為等への対応報告(2024年5月)」にて、7月には、「プロ野球選手に対する誹謗中傷行為等への対応報告(2024年7月)」にて、10月には「プロ野球選手に対する誹謗中傷行為等への対応報告(2024年10月)」にて公表させていただいたとおり、シーズン中に誹謗中傷等を行った者との間で示談が成立する事例、侮辱罪等での告訴受理に至る事例、現在も交渉中の事例等、対応を行った事例は多岐にわたっています。
選手会は、一貫して、誹謗中傷投稿を受けた選手を『一人にしない』という方針の下で、選手を支援してまいりましたし、今後も、悪質な誹謗中傷等に対しては、厳正な処置を取っていきます。もっとも、対応を行う中で、以下のような課題も見つかりました。
①シーズン中に選手が、民事・刑事含め、情報開示手続等に対応する際の負担(心理的なものも含む)が大きいこと
②違法投稿であることが確認されたにもかかわらず、X Corp. Japan 株式会社をはじめとした各プラットフォーマーの対応遅滞や技術的な問題により投稿者の特定にまでは至らず、被害を受けた選手が泣き寝入りしなければならないケースも存在すること
③ダイレクトメール等で行われた脅迫や侮辱事例に対しては、警察へ対応を依頼するなど投稿者の特定に向けた努力はしているものの、対処に相応の時間と負担がかかること
上記の課題も踏まえ、選手会では、定期大会に出席した選手を中心に意見交換を実施し、来シーズンに向けて、以下の方針のとおり、選手会として進めていくことを確認しました。
①来シーズンにおいても、選手が望む場合には、悪質な誹謗中傷等に対して厳正な処置を実施すること
②定期的に誹謗中傷対策の対応状況について皆様にご報告すること
③ダイレクトメールによる脅迫や侮辱の相談を受けた場合は、弁護士が運用する対策用アカウントから警告措置等を実施すること
④球団や他の選手会組織等その他の団体とも、脅迫や誹謗中傷の対策を進める上での知見・経験を共有し合い、スポーツや組織の垣根を超えて、社会問題となっている誹謗中傷の抑止に取り組むこと
誹謗中傷は、選手のみならず、その選手を応援するファンの皆様をも傷つけるものです。このような取り組みを行うことで、選手会としては、よりよいプロ野球界の実現を目指したいと考えています。
今シーズン多くのリリースを発信させていただきましたが、ファンのみなさま、そして各種メディア関係者のみなさまから、賛同のお声をいただき、誹謗中傷等の抑止につながる多大なご協力をいただきました。今シーズンの選手に対する誹謗中傷等の抑止にご協力いただきましたことに、選手一同大変感謝しております。
一方で、シーズン中のみならず、シーズンオフの今現在においても、選手等をターゲットとした誹謗中傷がいまだ散見されるという残念な現状もあります。再三のお願いにはなりますが、ファンのみなさまには、SNS等での投稿にあたってのマナー遵守を継続いただくこと、誹謗中傷等を拡散しないことを心より願い申し上げます。
また、各種メディア関係のみなさまにおかれましては、選手のプライバシーにも配慮いただいたうえで、引き続き、誹謗中傷等の抑止につながる報道のご協力をお願いいたします。
2024年12月6日
日本プロ野球選手会
(関連リリース)
「プロ野球選手に対する誹謗中傷行為等への対応報告(2024年10月)」(2024年10月24日)
「プロ野球選手に対する誹謗中傷行為等への対応報告(2024年7月)」(2024年7月22日)
「プロ野球選手に対する誹謗中傷行為等への対応報告(2024年5月)」(2024年5月15日)
「プロ野球選手に対する誹謗中傷行為等への対応状況について」(2024年3月26日)
「プロ野球ファンのみなさまへ~ SNS等への投稿についてのお願い ~」(2023年3月29日)