WBC(ワールドベースボールクラシック)に関する決議を行いました。

〜7月22日 日本プロ野球選手会 臨時大会

日本プロ野球選手会は、第3回以降のワールドベースボールクラシック(WBC)について、以下の通り決議いたしました。

現在のWBCにおいて参加国に課せられている不公平な参加条件、具体的には、オリンピックや、FIFAワールドカップのような通常の国際スポーツイベントにおいて、参加国の当然の権利として認められている代表チームのスポンサー権、ライセンシング権(日本代表グッズのライセンシング権)を、参加国に認めないという参加条件を、主催者であるWBCIが変更するまでは、WBCには出場しないこととします。

決議に至った経緯

私たちはWBCを、真の世界一を決める大会として尊重しようと努め、全力で協力してきました。その結果、日本代表は過去2回の大会でいずれも優勝を収めることができました。

大会には収益分配の不平等や、参加国の対戦方式、投球制限等のルールに至るまで、さまざまな問題がありましたが、初期段階では、大会の価値を高めることを優先し、主催者であるWBCインク(MLBとMLB選手会の共同設立の会社。以下WBCI)の定める通りに従ってきました。

しかしながら現在、WBCは、第1回、第2回大会とも、約1800万ドル(日本円の当時のレートで約16億円〜20億円)にも及ぶ多額の利益をあげ、興行的にも十分に成り立つ大会に成長しています。したがって、現在では、興行リスクの高い未成熟の大会であるという前提で特別扱いすべき理由はなく、オリンピックやFIFAワールドカップのような、国際スポーツイベントと同様の参加国平等を認めていくべき段階に来ているといえます。

にもかかわらず、WBCでは、かつてのオリンピック野球日本代表では、参加国の固有かつ当然の権利として認められていた、代表チームのスポンサー権、ライセンシング権を、全てWBCIに譲渡することを参加条件とされています。その上、大会のスポンサー収入の半分以上は日本企業からの収入であるにもかかわらず、WBCの利益の66%は、アメリカのMLBとMLBPAが独占する形となっており、日本は、わずかな利益分配(13%)を受けるのみとなっています。
つまり日本代表の運営や練習試合に要する多大なコストなどを考えれば、優勝して多額の賞金が入ってこない限り、採算がとれない状況を強いられているのです。
サッカー日本代表が、毎年数十億のスポンサー収入があり、これによってチームの強化や育成に多くの費用が充てられ、将来の代表チームの発展につなげることができているのと大きな違いです。

私たちは、WBCの過去2大会の会計資料を検討した結果、日本代表にスポンサー権やライセンシング権を戻しても、WBCは十分、採算のとれる大会になることを試算し、すでにWBCIに証明済みです。しかしWBCIは、代表チーム固有の権利であるはずのスポンサー権、ライセンシング権を、交渉において一切認めない姿勢を貫いています。

オリンピックから野球がなくなった今、世界最高の大会となり得るのはWBCです。しかしWBCが、真の国際大会ではなく、参加各国の公平性を無視した、アメリカの利益のみを重視する大会のままであろうとするなら、参加し続けることは、かえって日本球界のためにならないばかりか、世界各国の野球のためにもならないと考えます。私たちは、オリンピックや、FIFAワールドカップのように、参加各国が公平な立場の下で行われる、世界大会を望んでいます。将来の野球界のことを考えれば、世界最高の大会として、普通のことさえ認められない大会に出場することはもはやできません。
ファンのみなさま、報道関係者のみなさまには、ぜひ上記の点をご理解いただきますようお願いいたします。

 また同臨時大会ではプロアマ問題についても議案とし、これまで日本高等学校野球連盟、日本野球機構とともに進めてきた高校球児とのプロ野球選手とのシンポジウム「夢の向こうに」が8年間の実績を重ねてきたことも踏まえ、プロ野球経験者が、監督、コーチとして高校生、大学生を指導していくための現在の規制撤廃などを含め、日本学生野球協会、日本高等学校野球連盟等にさらなるプロ野球への理解を進めていくことが決議されました。


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