- 今回突然通知を出したのはなぜ?
今回、この問題をめぐる報道の中には、「選手会が突然一方的に通告!」という趣旨の記事があり、なぜ選手会は、球団との労使交渉の場で肖像権の管理について言わなかったのかという趣旨の発言が球団関係者からもありました。
ですので、今回選手会が、なぜ球団との労使交渉の場で、そのことを言わなかったのかという質問に対してお答えすることといたします。
【選手会が肖像権管理を決定するに至った経緯】
選手会は、2000年4月に行われた球団側の労使交渉の場で、日本野球機構の行った「1社独占契約」についての質問を行いました。球団側の回答に不明な点が多かったため、選手会において調査の上、2000年7月20日の選手会臨時大会で、
- 日本野球機構が締結した野球ゲームに関する1社独占契約は、選手の肖像権に関しての球団側への委任の範囲を越える重大な行為であるにも関わらず、選手側に承諾を求めずに行われたため、選手側は、選手の肖像に関する部分については、かかる独占契約を認めず無効を主張すること、
- 今後、選手の肖像等の包括的使用に関しては、選手会が管理を行うこととすること
の2点を決議しました。
選手会は、シーズン中の混乱を避けるため、上記決議内容に関する通知を、2000年シーズン終了を待ってから行うこととし、シーズン終了後の2000年11月17日付けで、日本野球機構と独占契約の相手方会社に、上記1、2の点についての通知を行ったほか、その他のゲーム会社や関係企業に対して、上記2の点を書面にて通知しました。
【なぜ、書面によって通知したのか?】
今回の問題は、選手側と球団側での問題にとどまらず、選手の肖像を商品化する会社(独占契約の相手方会社はもちろん、それ以外の会社も含む)にも大きな影響をもたらす問題です。従って、ある時期から球団側ではなく選手側が管理するということについては、明確な形で、かつ、一斉に通知しなければなりません。
また、既に述べましたように、選手が球団側に肖像権を譲渡しているという根拠はない以上、選手による肖像権管理は、そもそも球団側の承諾を得る事柄ではありません。従って、本質的には労使交渉で問題とする事項になじまない問題であるといえます(労使交渉は、選手側が球団側に、あるいは球団側が選手側に、一定の事項を要望するために行われるものだからです)。
もちろん、今後、選手の肖像については選手会で、球団のマークなどについては球団で管理していくとなった場合に、どのような形でそれぞれが円滑にライセンスを行っていくかという権利の管理方法などの点については、話し合いを行っていく必要があるでしょうし、選手会にはその準備もあります。しかしながら、その前提である選手側が肖像権を管理するという事実そのものについては、労使交渉の事項というよりは、通知書を送付すると形で行うべき性質のものであるため、書面による通知を行ったというのが今回の経緯です。
報道などでは、「一方的通告!」などと書かれていますが、書面によって通知したのは上記のような経緯に基づくものであり、これをもって、球団に対する対決姿勢という不必要な誤解をあたえたとすればそれは全く本意ではありません。
また、今回の選手会の行動が「一方的」であると非難されることもありますが、これをもって「一方的」とするならば、そもそも上記のような「1社独占契約」や野球協約の改正も含め、あらゆることを「一方的」に行ってきた球団側の行動にも目を向けるべきではないかと思います。
【話し合いによる解決の余地はないのか?】
これもよくある質問ですが、今回の問題について、話し合いによる解決の余地はないのかということをよく聞かれます。
既に説明しましたように、今回選手会が通知書を送った理由は、管理の始期をはっきりさせるという趣旨にすぎませんので、それ以上に球団側と全面戦争をするとか、話し合いを拒否するということは全くありません。
現に、球団側からは、古田会長宛てに、肖像権問題解決に関する話し合いが申し入れられております。選手会としても、上記のように、今後、商品化を行う各社に対するライセンスを円滑に行うために、球団側と前向きにお話し合いを継続していきたいと考えております。