現在話題となっている問題について、選手会はこう考えています
【肖像などに関する権利についての問題について 〜プロ野球ゲームがでなくなる?〜】
- プロ野球の新しい魅力
ご存知のように、今やプロ野球は、単にグラウンド内のプレーをさすにとどまらず、書籍、ゲーム、カード、さまざまな映像出版物など、関連カテゴリーも含めたより大きなフィールドに広がっています。ファンのみなさんは、球場で野球そのものを観戦する以外にも、ゲームなどで架空の対戦を楽しんだりなど、より幅広い形で、プロ野球を楽しんでいただける機会が増えました。ここでは様々な工夫によりプロ野球の新しい魅力が生み出されておりますが、野球ゲームなどで、選手によりスポットライトをあて、実在の選手名が選手の写真とともに使われたり、さらには選手の動き方までがリアルに再現されたりすることも、この新しい魅力の一つといえるでしょう。そしてこのような魅力は、ファンの要望や、それを取り入れる多くのプロ野球に関する商品を開発、販売する会社の競争によって無限の広がりをみせております。
ただ、こういった時代の変化に比べて、個々の選手の肖像や氏名を使用する権利については、きっちりとした話し合いが行われていないのが現状です。
- 肖像権問題とは…
プロ野球選手の肖像、氏名などを利用する権利は、その肖像などが選手のものである以上、本来的には選手に帰属するのですが、現在、事実上、球団側(日本野球機構)がこれを管理しています。しかし、これは選手と球団との契約(統一契約書)で定められた結果でなく、こういった選手の個々の権利について、十分に話し合われてこなかったことから、球団が事実上管理してしまっているという状況なのです。今までこの管理の方針について、選手の権利であるにもかかわらず、選手及び選手会に対しては、一切、承認を求めることはおろか、報告すらも行われてきませんでした。
- なぜ問題? ここが問題!
このような状況の中、プロ野球ゲームをはじめとする、プロ野球の魅力を外側から盛り上げ、ファンの裾野を広げてくれるような動きに「待った!」をかけるような事態が起きています。日本野球機構が、2000年4月から、ゲームに関する肖像等の利用を1社に独占させる認可を与えてしまったことで、競争によって、続々と魅力あふれるゲームが誕生することにブレーキをかけてしまったのです。そして現在、他社がプロ野球ゲームを制作しようとする場合、この1社に対し許可を得るような形となってしまったため、実際に、話題のプロ野球ゲームの発売が大きく遅れたこともありますし、このいびつな許認可構造が障害となり、新しいゲームの開発を取りやめてしまうゲーム会社がでることが懸念されています。
選手会は、本来、さまざまな魅力あふれるゲームが、競って市場に登場することこそが、多くのプロ野球ファンの喜びであり、また、それが新たなプロ野球の楽しみ方へとつながっていくものと考えています。こういったプロ野球をより楽しむ上での新しいフィールドが発展していくことは、王、長嶋世代後のプロ野球ファンを生み出す上でもきわめて重要です。
それゆえ、このような選択の結果が引き起こす事態で、ファンが愛想をつかしたり、ファン離れを起こすことは、将来のプロ野球の「死」にもつながってしまうのではないかとさえ危惧しています。
- 選手会として……
選手会は、さまざまなゲームが、その個性を競いながら市場に続々と登場し、そのことが多くのプロ野球ファンを喜ばせ、プロ野球をより魅力あふれるものとしてくれることを心から望んでおります。したがって、このようなライセンス方針をとった球団側に選手の権利の管理を任せておくことはもはやできないと判断し、これからは選手会が自ら選手の権利の管理を行うことにしました。
選手会が管理を行うのは選手の権利を「包括的使用」する場合に限ります。
包括的使用とは、次のいずれかの態様による使用をいいます(具体的なライセンスに関しては選手会にお問い合わせください)。
- 個々の画面または物等に複数の選手の肖像等が使用される場合(ただし当該複数の選手が全て同一の球団に所属している場合を除く)
- 個々の画面または物等には単独の選手の肖像等が使用されているが、同一または類似の仕様または条件により、複数の選手の肖像等が使用される場合(ただし当該複数の選手が全て同一の球団に所属している場合を除く)
選手会の選手の権利の管理にあたっては、先のゲームの例のように、一部企業にのみ選手名使用権を与えるなどの、弊害が起きぬよう、機会均等を基本精神にしていきます。
ただし、このような基本精神に著しく反するような行動をとる企業に対しては、選手の権利のライセンスを与えないことも検討していきます。
プロ野球の発展には、プロ野球を愛し、プロ野球に魅力を外側から盛り立ててくれる企業、団体などの存在も、その発展のためには不可欠です。
選手会では、今後もプロ野球に関する商品が数多く生まれることにより、プロ野球ファンがスタンドだけにとどまらず、さまざまな場所で、プロ野球の魅力に触れる機会が増えていくことを心から望んでおります。