球界構造改革

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【 5.肖像権問題について】
◆ 5.2 選手が商品の広告に関与する場合 (いわゆる「CM」など)

 ■ 現状
選手が商品の広告に関与する場合には、球団の承諾が必要であると統一契約書において定められています。  いわゆるCM出演などが典型的な場合であり、昔はソフトバンクの王貞治監督が選手時代に出演していた「ナボナはお菓子のホームラン王です」などに代表され、現在では多くの現役選手たちが出演しています。これらについては、現在も球団の承諾を受けてから出演している状況にあります。

 ■なぜ問題? ここが問題! 
球団の承諾の問題点1:
そもそも、このように球団の承諾を受けなければならないということ自体についても、それが不当な運用のされ方をした場合にはおかしな自体が生じます。選手が自分のイメージにあった起用のされ方をコントロールしたいと考えるのは当然のことですし、これを球団に一方的に決められてしまうのもおかしなことでしょう。選手の収入にもつながりますし、露出して自分を売り出したいと考えたとしても球団に理由なく一方的に却下されてしまうなどということ自体妥当なことではありません。
球団の承諾の問題点2:
また、そもそも選手の契約期間に相当する期間は、統一契約書では「参稼期間」とされていて2月から11月までとなっています。とすれば、選手はオフの2ヶ月の間はこの点の活動は自由なはずであり、球団の一方的な判断に従わなければならない理由はありません。選手の将来は非常に不安定です。そのキャラクターがファンに受けやすいような選手は、オフの活動などから退団後の就職が決まることもあります。そういった意味でも、オフの期間の活動についてまで球団の承諾が必要とされることは問題といわざるを得ないでしょう。

 ■ 選手会の考え
問題点1について:
メジャーリーグの統一契約書では、このような問題点に配慮して「球団は合理的な理由がない限りこの承諾を拒絶することができない」旨の条項が盛り込まれています。
メジャーリーグの統一契約書

今の日本の統一契約書は、球団側により一方的に定められたものであり、これを締結しなければプロ野球選手になれないという建前の元で結ばれるものですから、その各条項が適法なものとして効力を発揮するためには、合理的な内容であることが必要です。 そのような観点からすれば、この条項の有効性自体非常に疑問がありますし、仮に有効であるとしても、メジャーリーグの統一契約書のような、合理的な解釈がなされ、そのような解釈に従ったスムーズな承諾を行う運用が行われて初めて有効なものとなると考えるべきであるといえます。 したがって、選手会は、このようなことを明示するために、統一契約書自体にも、「球団は合理的な理由がない限りこの承諾を拒絶することができない」旨の条項を盛り込むよう求めています。
問題点2について:
メジャーリーグの統一契約書では、この承諾を必要とする期間が、明文でシーズン中に限定されています。

メジャーリーグの統一契約書2

これについて、日本の規定上は明示されていませんが、メジャーリーグの統一契約書と同様、これを明示するよう求めています。

 ■フェイス社玩具菓子問題について
肖像の「商品化」と「商品広告への関与」の違いについて
2003年3月、一部メディアにより「所属球団の承諾を得ないまま日本プロ野球選手会が独自に公認して選手カード付きの菓子を販売する問題で、日本野球機構とプロ野球12球団が同選手会と販売元の菓子会社に対し、警告文を送付していたことが分かった。」との報道がなされました。

食玩

警告文を送付されたことは事実ですが、「『選手肖像を使用する際には球団の許可が必要』と定める統一契約書第16条に違反する」との日本野球機構側の見解には、選手会としては異議を唱えています。
具体的に、統一契約書第16条にある記述を見てみることにしましょう。

肖像の「商品化」と「商品広告への関与」の違いについて
統一契約書第16条
統一契約書第16条が禁じているのは、「球団からの承認のない商品広告への関与」であることがお分かりいただけるかと思います。冒頭の「選手カード付きの菓子」は、選手会としては「肖像を用いた商品広告への関与」とは考えておらず、「肖像そのものの商品化」だと考えています。もちろん、肖像権は選手個人の権利であり、この「肖像の商品化」も選手の権利です。
球団は、肖像をプリントしたTシャツはTシャツという商品の広告に肖像を利用(関与)している、YGマーク(巨人軍のマーク)の入った野球帽は野球帽という商品の広告にYGマークを利用(関与)しているなどと、肖像権の訴訟の中でも主張しています。しかし、これらはあくまで肖像のプリントされたTシャツという商品そのものでありますし、また帽子も巨人軍の帽子という商品そのものでしょうし、あまりに強引な無理のある解釈です。
問題となっている「選手カード付きの菓子」は、選手カードという選手の肖像があって初めて商品として認知されるものであり、その意味で肖像がプリントされているTシャツと同じ部類のものですから「肖像の商品化」と考えるのが妥当であって、「商品広告への関与」と考えるには無理があります。これはいわゆる「食玩」と呼ばれる玩具付き菓子のマーケットでは一般的な話です。
球団からの警告は、このような理由のない警告であり、選手会のライセンス商品に対して圧力を掛ける意味にすぎないと考えられます。

統一契約書第16条抜粋

選手会のスタンス
今回問題となっている野球カード、ピンバッチ商品は、球団のマーク・ユニフォームを使っておらず、統一契約書の規定にも違反しない範囲でライセンスされ製造されたものですが、本来選手会は、このような選手の権利だけを用いた商品を出したいと考えているわけではありません。
 今回のような新しい観点からの野球カードや、ピンバッチなど、魅力的な新しい商品を出したいと考える会社と協力して、ファンのみなさんが喜んでもらえるようにしていきたいと考えているだけですので、できれば球団とも協力して、球団のマーク・ユニフォームも使用した、より魅力的な商品ライセンスを行っていくことを理想と考えています。メジャーリーグではこのような体制が築かれており、あれだけ激しい労使対立を繰り広げていながら、このようなライセンスの場では、非常に協力的な関係が築かれています。

日本の選手会もこのような体制が一日も早く築けるように努力していきたいと考えていますので、ファンのみなさまも、ぜひご支援ください。
選手会が目指すライセンス体制
◆ 5.1 選手の肖像、氏名などを商品そのものに使う場合(いわゆる「商品化」)
  • 従前の状況
  • なぜ問題? ここが問題! / 選手会を通じた選手の権利の自主管理がスタート
  • 選手会が管理することが正しい理由〜肖像権は選手のもの? それとも球団のもの?
  • 2002年8月、選手会は日本野球機構を訴えました

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