外国人枠問題について

 WBCなどの国際大会が開催される中で、NPBにおいて、日本野球の高いレベルをどのように維持、向上させていくべきでしょうか。ここでは、日本野球の国際競争力を高めるという観点から、外国人枠問題について考えてみます。

● なぜ問題? ここが問題!

1 外国人枠が拡大しています。
 現在、1軍の外国人枠数は4名で、「投手2、野手2」、「投手1、野手3」または「投手3、野手1」という出場選手の組み合わせのいずれも可能となっています。1990年代中盤から外国人枠が拡大され、2001年、選手会の反対にもかかわらず、このような外国人枠制度が導入されました。
 野手が最大3人、投手が最大3人出場可能になったため、各球団とも採用する外国人数を増加させる傾向が強まり、結果として、契約する外国人選手(日本人扱いされる外国人選手を含みます)の数が増加しています。

※現在の各球団外国人選手契約数(2010年9月13日現在。カッコ内は育成選手)
巨人 中日 ヤクルト 阪神 広島 横浜 日本ハム 楽天 ソフトバンク 西武 ロッテ オリックス
10
(1)
6
(1)
8
(1)
6 9
(1)
7
(2)
3 5 7
(1)
5 6
(1)
8
(1)
 支配下選手の数は70人と限定されているので、外国人選手の契約人数が増えた結果、日本人選手の契約人数が減り、出場機会が奪われ、NPBにおいて、日本人選手が育たなくなるおそれが出てきています。

2 日本人扱いされる外国人選手が増えています。
 また、近年は、日本人扱いされる外国人選手も増えてきています。
 これは、外国人選手の獲得に頼った戦力補強の一環で、特にNPBにおいて活躍した実績のある外国人選手が、球団を変えながら、長期間NPBに所属することが多くなった結果、外国人選手がFA資格取得期間を満たすようになり、日本人扱いされるようになったためです。
 このようになると、球団は、外国人枠以外に、日本人扱いされる外国人選手を保有できることになり、より多くの外国人選手と契約し、より多くの外国人選手を試合に出場させることができるため、上記の日本人選手の出場機会の減少という問題がさらに助長される結果となっています。

● 選手会はこう考えます

 外国人枠の拡大、日本人扱いされる外国人選手の増加により、特に、右のホームランバッターで、ファーストなどのポジションの外国人選手が多いことから、特定ポジションの日本人野手の出場機会が著しく減ってきています。これらのポジションでは、日本人があまり必要とされないと判断されると、アマチュア選手は、他のポジションで、プロ野球を目指そうとすることになります。となると、日本の野球において、右のホームランバッターがなかなか生まれない土壌が形成されることにもなりかねません。
 NPBをとりまく経済状況が厳しい中、外国人選手の獲得に頼った戦力補強が多くなってきていますが、果たして日本の野球の将来のためになるでしょうか?
 選手会は、「日本人選手がレベルアップを図り、プロ野球を活性化する」という観点から、外国人枠の制限、撤廃という問題に関し、改革を目指しています。

ドラフト拒否選手の復帰制限問題

 2008年、当時新日本石油に所属していた田沢純一選手が、NPBを経ず、メジャーリーグ・ボストンレッドソックスと契約したことなどをきっかけに、NPBは、NPBのドラフトを拒否し、海外球団と契約した選手が、当該球団退団後、一定期間、NPBに復帰することを認めないルールを一方的に導入しました。

● なぜ問題? ここが問題!

 NPBが導入したルールは、アマチュア選手が、NPBのドラフトを拒否し、海外球団と選手契約した場合において、当該球団退団後2年間(高卒選手の場合は3年間)の、NPB所属球団との契約を禁止するというものです。
 このルールでは、田沢純一選手が、レッドソックスを退団したとしても、その後2年間NPBに復帰することができません。
 このようなルールがある場合、NPBかメジャーかを迷っているアマチュア選手は、メジャー球団退団後、NPBに復帰できないことを恐れ、メジャー挑戦を諦める可能性もあるなど、アマチュア選手の将来の選択に大きな影響を及ぼします。

● 選手会はこう考えます

 NPBは、選手会に対して、このルール設定について、将来のNPBを背負う優秀な選手が海外に流出するのを防ぐため、やむを得ない措置だと説明しています。
 もちろん選手会も優秀な選手がNPBに入ってきてくれることを望んでいますが、NPBが導入したこの復帰制限ルールは、プロ野球選手が、日本のプロ野球球団と契約し、年俸を得るという経済活動を著しく制限することから、独占禁止法上明らかに違法であり、選手会は、NPBに対して、このルールの撤廃を求めています。
 ただ、そもそもアマチュア選手が、NPBではなく、メジャーリーグなどの海外リーグに挑戦するのは、選手本人が、NPBではなく、メジャーリーグに興味を持ったからであって、NPBが選手本人にとって1番興味のあるリーグではなかったということでもあります。
 選手会は、日本プロ野球構造改革案でもご提案しているとおり、NPBが、アジア最高リーグとして、メジャーリーグと対等、あるいはそれ以上のブランド力とビジネス規模を有するリーグになることを目指すべきであり、日本のアマチュア選手にとって、メジャーよりも魅力のあるリーグになることが、最も重要であると考えています。
 選手会は、復帰制限ルールのような制約をつける形ではなく、将来のアマチュア選手にとって、魅力あるリーグとしてNPBを選んでもらえるようなリーグを目指したいと考えます。

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