野球規約・統一契約書ほか

【野球協約について】

【変更9】
(旧) 第202条 (選手契約の条件) FA宣言選手と次年度選手契約を締結する球団は、当該選手の参稼報酬年額を同選手の直前シーズンの統一契約書に明記された参稼報酬年額(以下前参稼報酬年額という)を超える額とすることはできない。
ただし、球団が当該選手の前参稼報酬年額および稼働成績にかんする特別な事情をコミッショナーに文書で申請し、コミッショナーがこれを認めた場合は、本条の制限を超える参稼報酬年額で選手契約を締結することができる。[1997.10.7改正]

(新) 第202条 (選手契約の条件) FA宣言選手と次年度選手契約を締結する球団は、当該選手の参稼報酬年額を日本プロフェッショナル野球組織に所属する球団での同選手の直前シーズンの統一契約書に明記された参稼報酬年額(以下前参稼報酬年額という)を超える額とすることはできない。[2000.7.17改正
ただし、球団が当該選手の前参稼報酬年額および稼働成績にかんする特別な事情をコミッショナーに文書で申請し、コミッショナーがこれを認めた場合は、本条の制限を超える参稼報酬年額で選手契約を締結することができる。[1997.10.7改正]
■選手会の見解 : (選手契約に関係ある事項に該当するものですが、)選手会は、そもそもFA宣言選手に参稼報酬額に制限を設けること自体不当であり、このような制限の撤廃を求めていますので、このような制限を存続させること自体異議を申し入れました。  また、仮にこのような制限の存在を前提としたとしても、そもそも「次年度」の文言を削除することは、FA宣言選手がいずれの球団とも次年度選手契約を締結せず、その次々年度選手契約を締結する場合にもこのような制限がかせられることになりますので、この変更は選手の権利をより制限することにつながります、したがって、「次年度」の文言を削除することについては、認められません。もっとも、「日本プロフェッショナル野球組織に所属する球団での」の文言を加えたことについては内容をより明確なものとする変更であり、選手会として特に異議はありません。

【変更10】
(旧) 第203条 (FA宣言選手の参稼報酬の減額制限) FA宣言選手が次年度選手契約を締結する場合は、第92条(参稼報酬の減額制限)の規定にかかわらず、当該選手の前参稼報酬年額から25%を超えて減額することもさまたげない。

(新) 第203条 (FA宣言選手の参稼報酬の減額制限) FA宣言選手が次年度選手契約を締結する場合は、第92条(参稼報酬の減額制限)の規定にかかわらず、当該選手の前参稼報酬年額から25%を超えて減額することもさまたげない。[2000.7.17改正]
■選手会の見解 : (選手契約に関係ある事項に該当するものですが、)選手会としては、「次年度」の文言を削除することは、FA宣言選手がいずれの球団とも次年度選手契約を締結せず、その次々年度選手契約を締結する場合にも減額制限の規制を受けないことになりますので、この変更は選手の権利をより制限することにつながります、したがって、「次年度」の文言を削除することについては、認められません。

【変更11】
(旧) 第204条 (金銭調停の不請求) 球団およびFA宣言選手は、次年度選手契約の締結交渉において参稼報酬額等金銭にかんする調停を求めることはできない。

(新) 第204条 (金銭調停の不請求) 球団およびFA宣言選手は、次年度選手契約の締結交渉において参稼報酬額等金銭にかんする調停を求めることはできない。[2000.7.17改正
■選手会の見解 : (選手契約に関係ある事項に該当するものですが、)選手会としては、金銭調停を申し立てられないこと自体、選手に対する不当な制限であり異議を申し入れました。 また、仮にこのような制限の存在を前提としたとしても、そもそも「次年度」の文言を削除することは、FA宣言選手がいずれの球団とも次年度選手契約を締結せず、その次々年度選手契約を締結する場合にもこのような制限がかせられることになりますので、この変更は選手の権利をより制限することにつながります、したがって、「次年度」の文言を削除することについては、認められません。

【変更12】
(旧) 第205条 (球団の補償) 直前シーズンに他の球団に在籍していたFA宣言選手と次年度選手契約を締結した球団は、当該選手の旧球団にたいし金銭および選手を補償しなければならない。

(1)金銭による補償は、当該FA宣言選手が旧球団と契約した統一契約書に明記された前参稼報酬年額と同額とする。

(2)選手による補償は、当該FA宣言選手と選手契約した球団が保有する支配下選手のうち、外国人選手および同球団が任意に定めた30名を除いた選手名簿から旧球団が当該FA宣言選手1名につき各1名を選び、獲得することができる。前記の選手名簿の旧球団への提示はFA宣言選手との次年度選手契約締結がコミッショナーから公示された日から2週間以内に行う。選手による補償が重複した場合は、当該FA宣言選手と選手契約した球団と同一連盟の球団が他の連盟の球団に優先する。また同一連盟内においては、当該年度連盟選手権試合の勝率の逆順をもって、球団の優先順位とする。
ただし、旧球団が選手による補償を求めない場合は、前記1号の金額に50%を加算した金額の補償をもって、選手による補償にかえることができる。

(3)前記1号、2号すべての補償は、コミッショナーから当該選手の公示が行われた後、40日以内に完了しなければならない。ただし、金銭による補償については、旧球団の同意がある場合は、期間を延長することができる。

[注1] 前記2号の規定により、指名された選手はこれを拒否することはできない。拒否した場合は、同選手は資格停止選手となり、旧球団への補償は前記2号のただし書きを準用する。[1998.11.18改正]

[注2] FA宣言選手が翌年1月31日までに、日本プロフェッショナル野球組織に所属するいずれの球団とも選手契約を締結せず、自由契約選手と公示された後、いずれかの球団と選手契約を締結したときは、その球団は当該FA宣言選手の旧球団にたいして前記1号および2号の補償を必要とする。

(新) 第205条 (球団の補償) 直前シーズンに日本プロフェッショナル野球組織に所属する他の球団に在籍していたFA宣言選手と次年度選手契約を締結した球団は、当該選手の旧球団にたいし金銭および選手を補償しなければならない。[2000.7.17改正

(1)金銭による補償は、当該FA宣言選手が最初のFAの権利行使の場合は旧球団と契約した統一契約書に明記された前参稼報酬年額と同額、再度のFAの権利行使の場合は旧球団と契約した統一契約書の明記された前参稼報酬年額の50%とする。[2000.7.17改正

(2)選手による補償は、当該FA宣言選手と選手契約した球団が保有する支配下選手のうち、外国人選手および同球団が任意に定めた30名を除いた選手名簿から旧球団が当該FA宣言選手1名につき各1名を選び、獲得することができる。前記の選手名簿の旧球団への提示はFA宣言選手との次年度選手契約締結がコミッショナーから公示された日から2週間以内に行う。選手による補償が重複した場合は、当該FA宣言選手と選手契約した球団と同一連盟の球団が他の連盟の球団に優先する。また同一連盟内においては、当該年度連盟選手権試合の勝率の逆順をもって、球団の優先順位とする。[2000.7.17改正
ただし、旧球団が選手による補償を求めない場合は、前記1号の金額に50%を加算した金額の補償をもって、選手による補償にかえることができる。

(3)前記1号、2号すべての補償は、コミッショナーから当該選手の契約締結の公示が行われた後、40日以内に完了しなければならない。ただし、金銭による補償については、旧球団の同意がある場合は、期間を延長することができる。

(4)FA宣言選手がFA宣言した年の翌々年の11月30日まで日本プロフェッショナル野球組織に所属するいずれの球団とも選手契約を締結せず、FA宣言した年の翌々年の12月1日以降、日本プロフェッショナル野球組織に所属するいずれかの球団と選手契約を締結した場合、そのFA宣言選手と契約した球団は旧球団にたいしての補償を必要としない。[2000.7.17改正]

[注1] 前記2号の規定により、指名された選手はこれを拒否することはできない。拒否した場合は、同選手は資格停止選手となり、旧球団への補償は前記2号のただし書きを準用する。[1998.11.18改正]

[注2] FA宣言選手がFA宣言した年の翌々年の11月30日までに翌年1月31日までに、日本プロフェッショナル野球組織に所属するいずれの球団とも選手契約を締結せず、自由契約選手と公示された後、いずれかの球団と選手契約を締結したときは、その球団は当該FA宣言選手の旧球団にたいして前記1号および2号の補償を必要とする。[2000.7.17.改正

■選手会の見解 : (選手契約に関係ある事項に該当するものですが、)選手会は、これまでもFAに関する補償金については、撤廃すべきことを繰り返し求めています。したがって、いずれも補償金が残る形での変更であるという点について異議を述べました。もっとも、仮に補償金を残すという前提における2000年度から2001年度への変更案という点での、選手会の意見は次の通りですので、項ごとに分けて見解を示します。

・柱書について

  「次年度」の文言を削除することは認められません。

「次年度」の文言を削除することは、FA宣言選手がいずれの球団とも次年度選手契約を締結せず、その次々年度選手契約を締結する場合にもこのような制限がかせられることになりますので、この変更は選手の権利をより制限することにつながります。特に次の2点が問題となります。

1. このように、「次年度」の文言を削除した上で(4)項のような規定を設ける場合、従来であれば、次々年度の契約については補償金が発生しなかったはずであるにもかかわらず、これが翌々年の11月30日までは補償金が発生するというように、補償金が発生する期間を延長していることになりますので、このような変更は到底認められません。

2. また、このように、「次年度」の文言を削除して(4)項のような規定を設ける場合、FA宣言選手が、外国球団と契約をし、その後2シーズン以内に日本の他の球団に復帰した場合には、補償金が発生するということになってしまいます。
 他球団と、レンタルやローン等の貸借などの形態ではなく、FA制度により自由な立場で契約した選手は、それまで在籍していた球団(旧球団)の契約の影響下から完全に離れる以上、契約した新球団がその選手に対する権利を有することになったとしても、旧球団が、その選手の新球団との契約後もその選手に対して何らかの権利を有するということは理論的に無理があるというべきです。新球団が外国球団であったとしても、その外国球団は当該選手に対して完全な権利を有していることは極めて明らかです。
 そもそも選手会は、FA制度における補償金自体について、選手の球団選択を制限することから撤廃するよう求めています。これは選手の権利を制限することにとどまらず、FA制度により選手を獲得する球団にとっても、獲得をためらわせる要因となり球団自体にも不利益な制限です。それに加え、日本プロフェッショナル野球組織が提案する変更によれば、FA制度により海外に移籍した選手が日本球界に復帰を望む際に復帰しにくくなってしまいますが、選手の海外流出を危惧する声もある中戻ってくる選手を受け入れにくくなるような変更がファンに受け入れられるとは到底考えられません。
 日本プロフェッショナル野球組織は、本変更を、選手を一時的に海外移籍させる形式をとることで補償金の負担を免れるという抜け道を防ぐためのものと位置づけているとも考えられます。仮にこの補償金の存在を前提として考えるとしても、補償金の負担を抜け道的に防ぐことは、先に移籍先が決まっており補償金の負担を防ぐことのみを目的として海外移籍したような場合を濫用的なものとして別途例外的に補償金を発生させるようコミッショナー等が判断すれば足りると考えます。

・(1)について
今回の変更の提案は、従前よりも補償金額を少なくするというものであり、従前の取り扱いよりは選手に有利ですので、前提として補償金の存在に異議をとどめた上でこの変更を認めます。

・(2)について
「次年度」の文言を削除することは認められません。

・(3)について
「次年度」の文言を削除することは認められません。

・(4)について
  柱書において述べたような理由から本項目の追加は認められません。
 
・[注2]について
  201条の変更に伴い不要となる条文です。


【変更13】
(旧) 第206条 (球団の獲得選手数) 球団がFA宣言選手のうち直前シーズンまで他の球団に在籍していた選手と次年度の選手契約を締結できるのは2名までとする。
ただし、公示されたFA宣言選手数が21名から30名の年度は3名まで、同31名から40名の年度では4名まで、同41名以上の年度では5名まで選手契約を締結することができる。

(新) 第206条 (球団の獲得選手数) 球団がFA宣言選手のうち直前シーズンまで日本プロフェッショナル野球組織に所属する他の球団に在籍していた選手と次年度の選手契約を締結できるのは2名までとする。
ただし、公示されたFA宣言選手数が21名から30名の年度は3名まで、同31名から40名の年度では4名まで、同41名以上の年度では5名まで選手契約を締結することができる。[2000.7.17改正
■選手会の見解 : (選手契約に関係ある事項に該当するものですが、)選手会として特に異議はありません。

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